あやしうこそものぐるほしけれ。

心に浮かびゆくよしなしごと

10月読んだ本まとめ(読書メーター)

 

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今月はたくさんの本を読むことができました。

特にビジネス書3冊は普段あまり読まないジャンルながらとても良い学びを得ました。

ただ、正直もっと小説やエッセイを読みたかったなぁという気持ちもあります。

Kindleシングルスは毎月1冊ペースで必ず読み終えることができていて意外と権利を有効活用できています。

 

2015年10月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:1569ページ

今を生きるための現代詩 (講談社現代新書)今を生きるための現代詩 (講談社現代新書)感想
詩はわからなくていいということがわかりました。要は「考えるな、感じるんだ」ということです。私は仕事で何かをわかりやすく伝えるための文章をたくさん書くと、純文学や詩のような、言葉が気持ちよく呼吸するようなフレーズを浴びるように読みたくなるのですが、その感覚を紐解くような現代詩の解釈でとても腑に落ちました。特に「生きる」という詩になぜわくわくできないかを考察する章はなるほど!の連続。社会人になってから詩を読む頻度は激減していましたが、もっと詩の感受性を高めて、その芸術世界に浸かる楽しみを知りたいと思います。
読了日:10月6日 著者:渡邊十絲子


竜が最後に帰る場所 (講談社文庫)竜が最後に帰る場所 (講談社文庫)感想
本作に収められる5つの小品は、種族や夢うつつの壁をするりと超えていく共通項を持ちながらもホラーからファンタジーまでそれぞれ趣向が異なり、レストランのコース料理を楽しむような多様な味覚の広がりを感じられて満足度十分。特に「鸚鵡幻想曲」の“偽装集合体”が見分けられるというアサノの告白が20羽の鸚鵡たちの壮大な旅物語へと移り変わり、更には小さな島のロマンスへと“流転”する展開は、想像の幅を遥かに超えていて目が眩むようでした。そして読後は「ゴロンド」で描かれる竜のめくるめく成長譚の余韻にとっぷりと浸るのです。

読了日:10月10日 著者:恒川光太郎


僕の隣で勝手に幸せになってください僕の隣で勝手に幸せになってください感想
《友人の彼女がワガママひとつ言わない謙虚な人らしいのだけど、「いいお嫁さんになるからどうぶつの森を買ってください><」と珍しくおねだりしてきて、なんだそんなものでいいのかーと買ってあげたらしい。いやそんなものって!結婚もセットでおねだりしてますよね!してますよね!》他にもオススメフレーズたくさん!ルミネの広告の男性版みたいな、穂村弘的エッセイの呟き版みたいな、ポエマーな著者の日常と妄想と思索がぎゅっと詰まった素敵本でした。こんな彼氏が欲しいとは思わないけど、寝る前に好きなフレーズを探してきゅんってしたい。

読了日:10月12日 著者:蒼井ブルー


21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由感想
昨今、トレンドのデザイン思考を取り入れる方法論とその価値、そしてデザイン思考が築く新しいキャリアの在り方が大変わかりやすくまとめられた良書。日々、ささやかながら「これまでにないものを」という要望の含まれる各種企画提案をし続け、頭を悩ませている私には、今すぐ取り入れてみたい実践的な内容が満載で役に立ちそう。しかしまずは個人でそして組織で実践するためには突破すべき壁もなかなか多そうで、本気で一度デザインスクールで学んでみたいと思いました。クリエイティビティは特殊能力ではなく学べるんだと思うとわくわくします。

読了日:10月17日 著者:佐宗邦威


金を払うから素手で殴らせてくれないか?金を払うから素手で殴らせてくれないか?感想
意味不明な文章が怒濤のように捲し立てられていて、読んでいるだけでイライラする新感覚短篇集でした(注:褒めてます)。人が死ぬことと寿司を食べることが同じ比重で書かれ、一人称がころころ切り替わるところなど、どことなくラテンアメリカ的ハードボイルドの香りがして、そのリズムに乗れるかどうかでこの小説を面白がれるかどうかが決まるんではないかと思います。一番ぐっときたのは表題作。「失踪した米原を探しにいこう」と米原本人に誘われ、共に街を彷徨う愉快な同僚達に底知れぬ愛と狂気を感じ、そしてこの幕切れとは…やられました!
読了日:10月21日 著者:木下古栗


人を操る禁断の文章術人を操る禁断の文章術感想
胡散臭いタイトル!と思いながら手に取ったけれどもこれがどうしてなかなか、明日から文章を書く際に振り返りたくなる超実用書でした。普段ハウツー本は読まないですが、この薄さでこの密度なら許せます。文章を書くのが苦手な人はだいたい読むのも苦手なので、文筆家の書いた分厚い文章読本を読むだけでもハードルが高そうですが、これならそういうライティング初心者にも薦めやすい。さすがDaiGo。と同時に、自分も今一度、誰に対して何を伝える文章なのか、もっと鍛錬を重ねて言葉を研ぎすませていかなければと身の引き締まる思いです。
読了日:10月23日 著者:メンタリストDaiGo


リスを実装する (Kindle Single)リスを実装する (Kindle Single)感想
Kindle Singles2冊目。リスだらけの表紙がまず素晴らしい。パソコンの森の中にリスを実装し、毎日眺める野実の思考を綴るという、著者にしてはわかりやすい短篇でした。「TEO」というPCゲームに嵌った時のことを思い出します。あの生き物も行動ログとして書き出されたテキストデータにすぎないと思うと奇妙です。けれど自動化とは、機械と人の違いとは何なのか。著者の作品はいつも頭を混沌とさせる。それが好き。《ありていに言えば、マークはプログラムの出力だ。ありていに言えば、野実が物質の運動の結果であるように。》
読了日:10月25日 著者:円城塔


「60分」図解トレーニング ロジカル・ファシリテーション (PHPビジネス新書ビジュアル)「60分」図解トレーニング ロジカル・ファシリテーション (PHPビジネス新書ビジュアル)感想
ものすごく参考になる本。そんな読まないけど最近読んだビジネス書の中で実用度No.1です。提案事項が増えてきたり、不毛なミーティングを繰り返す人が身近にいたりしたことから、ファシリテーションスキルを振り返ってみようと読みました。合意を得るとかロジックの三角形とかベースは大学のディスカッションで訓練したことが詰まっていて懐かしい気持ちに。こうしたスキルをリアルなビジネスシーンで使うとしたらという応用方法がトレーニング問題付きで丁寧に解説されています。60分で読めても体得するには日々の積み重ねが大事になりそう。
読了日:10月31日 著者:加藤彰

以上、11月も2015年ラストスパートということでめきめき読みたいと思います。